自転車保険、入っていないと大変なことに?
2015年以降、自転車保険の加入を義務づけている自治体が増えています。
通勤に自転車を使っている場合は、会社から自転車保険に加入するようにと言われる場合もあります。
自転車保険とはいったいどんなものなのでしょうか?
そして、本当に自転車保険に加入しないといけないのでしょうか?
目次
全国の自治体で自転車保険の加入義務化が拡大中!
2015年10月に兵庫県で自転車保険が義務化されて以降、埼玉県、神奈川県、長野県、静岡県、滋賀県、京都府、大阪府、鹿児島県など、次々と全国の自治体で自転車保険が義務化されてきています。
2020年4月には東京都も義務化されます。
自転車保険とはどんなもの?
それでは、その自転車保険とはいったいどんなものなのでしょうか。
例えば、あなたやあなたのご家族が自転車に乗っていて、歩いていたおばあちゃんにぶつかり転ばせてしまったとします。
運悪くおばあちゃんは頭を打って、意識が戻らず寝たきりの状態になってしまいました。
そのことに対する賠償金として1億円が請求されたとしたら、あなたはどうしますか?
ポンと1億円を払えるという人はほとんどいないでしょう。
最近は、自転車に乗っているのがたとえ子どもであっても、歩行者をケガさせてしまったり死亡させてしまったりした場合に、多額の賠償金を請求されることが増えています。
こんなもしもの場合に、あなたに代わって賠償金を払ってくれたり、ケガをした本人の入院費用などを払ってくれたりする、ありがたい保険が自転車保険です。
加入する前に、ちょっと待った!
「自治体で義務化されているし、そんなにありがたい保険なら今すぐ入らなくちゃ」
と思ったそこのあなた、ちょっと待ってください。
あなたはすでに自転車保険と同じような保険に加入しているかもしれません。
「いいえ、そんなことはないはず。入った記憶はないし。」
と思うかもしれません。
先日私がお話を伺ったお客様は「自転車保険」という名前の保険に加入していましたが、調べてみると、その他に3つも同じような保険に加入していました。
実は、この自転車保険の賠償責任保険部分は「個人賠償責任保険」という保険でもカバーできるものなのです。
そしてその個人賠償責任保険は、傷害保険や自動車保険、火災保険、ゴルファー保険などに特約というかたちでオマケのようにしてプラスしてあることが多いのです。
4つの個人賠償責任保険に加入していて、それぞれの賠償金額が1億円なら、補償が4億円になるから安心!と考えるのは間違い。4つ入っていても1億円までしか補償されません。たくさん払った保険料がムダになるということです。
自転車保険に入らなくて良い人、入ったほうが良い人
ご自身の加入されているすべての保険の保険証券をよく確認して、「個人賠償責任保険」に加入していれば、「自転車保険」に加入する必要はありません。
ただしその場合、ご自身が自転車による事故で死亡したりケガをしたりした場合の傷害保険に加入していないのであれば、傷害保険の加入を検討する必要があります。
傷害保険には加入しているけれど、個人賠償責任保険に加入していないという場合は、加入済みの保険に特約で個人賠償責任保険を追加することが必要です。
都道府県民共済の生命共済または新型火災共済の加入者であれば、月々140円の保険料で3億円まで補償する個人賠償責任保険に追加加入することができます。
では、自転車保険に入ったほうが良いのはどんな人かというと、個人賠償責任保険にも傷害保険にも入っていない人です。
保険会社によっていろいろなタイプの自転車保険がある
「自転車保険」はケガをさせてしまった相手に賠償金を払う「個人賠償責任保険」と、自転車に乗っていた本人が死亡した場合の死亡補償や、ケガをした場合の入院や通院の費用を負担してくれる「傷害保険」がセットになっているものがほとんどです。
なかには、ケガ以外の病気で入院する場合の費用も負担してくれたり、女性特有の病気の場合に入院費の補償がアップしたり、カメラを落として壊れてしまった修理代を負担してくれたり、示談交渉サービス、弁護士相談サービス、サイクリング中のパンク修理などのロードサービスがついたものもあります。
保険料はいくらぐらい?
自転車保険の保険料はだいたい月々600円〜3,000円ぐらいです。
たとえば、こくみん共済では、月々の保険料1,200円で、相手に対する補償は最高3億円、本人の死亡重度障害は500万円、通院1日3,000円、入院補償総額7,500円から18万円(ケガのみ)といった内容です。
CO-OP共済では月々の保険料が2,140円で、相手に対する補償は最高3億円、通院日額1,000円、入院日額5,000円(病気・ケガ)となっています。
月々の掛け金が260円なんていうネットの安い自転車保険もありますが、賠償保険金が最高1千万円となっています。実際に事故を起こしてしまった時、相手の方が亡くなったり重度の障害を負ったりした場合は1億円近い賠償金を払わなければならないので、1千万円では補償の内容が不足していると言えます。
最近新しくできた個人賠償責任保険では、2億円、3億円といった補償額のものが増えてきています。
クレジットカードの会員限定の保険に入る!
クレジットカードの会員限定で、安く自転車保険や個人賠償責任保険に加入できるサービスもあります。
セゾンカードは月々300円で賠償責任保険に加入できます。
三井住友カードは月々640円
JCBカードは月々280円から、エポスカードは月々520円から加入できます。
保険料が安くても賠償保険金はどれも最高1億円なので安心ですね。
他のクレジットカード会社にもこのようなサービスがあるかもしれませんので、お持ちのカード会社に確認して調べてみてください。
加入するときのポイント
個人賠償責任保険が1億円以上か、家族が事故を起こした場合も補償してくれるか、死亡や入院、通院の補償があるか、その他の補償やサービスが付いているかなど、ご自身が必要とされる補償がカバーされているかどうかをチェックしてみることが大切です。
まとめ
全国の自治体で加入義務化が拡大中の自転車保険とは、自転車による事故で相手の方に払わなければいけない賠償金や、本人の入院費用などを補償してくれる保険です。
傷害保険や自動車保険、火災保険、ゴルファー保険などに特約というかたちで個人賠償責任保険に加入している場合は自転車保険に加入する必要はありません。
まだ1つも個人賠償責任保険や傷害保険に加入していない方は、各保険会社で出している自転車保険、またはクレジットカード会社の会員限定の個人賠償責任保険の中から、ご自分に必要な補償内容のものを選んで加入してください。