新型コロナウイルスの影響で収入が減った時に受けられる個人向け支援
新型コロナウイルスの影響で多くの人々が経済的な打撃を受けています。
会社が倒産した、突然解雇された、勤務時間が減って給料が減った、パートの仕事がなくなった、アルバイト先が休業になったなど、収入がなくなったり減ったことで、日々の生活に困る人が日本中にあふれています。
そんな方々を救うために、国、都道府県、各自治体や民間事業者などでは様々な個人向けの支援をおこなっています。
けれども、国や自治体などから困っている人に声をかけてくれることはなく、こちらから困っていることを発信し、相談し、申請をしなければ支援を受けることはできません。
そのためには、どんな支援を受けることができるのか、どこに相談すれば良いのかを、しっかりと知る必要があります。そして、どの支援が必要なのかがわかったら、なるべく早く申請することが大切です。
返済不要の給付金(もらえるお金)
返す必要のない、もらえるお金はとても助かりますね。期限に間に合うように、忘れずに申請するようにしましょう。
書類をそろえたり、記入方法が複雑でめんどうになってあきらめてしまう人もいますが、あきらめないでください。
担当の方に聞けばきちんと教えてくれますから、めげずに申請しましょう。
また、給付金の詐欺にはくれぐれもご注意ください。
ATMの操作をさせる、手数料の振り込みをさせる、メールを送りつけてURLをクリックさせるような場合はおかしいと思ってください。
ニセ物の申請書を送ってくることもありますから、気をつけてください。
最近、政府関係や、各市区町村役場のニセサイトがたくさん作られました。本物と全く同じで見分けがつかないほどのニセサイトです。 URLの最後の文字が「 go.jp 」「 lg.jp 」「 jp」などではなく、外国の国名や見慣れないものが付いている場合はニセサイトの可能性があるので要注意です。
特別定額給付金(一律10万円)
「特別定額給付金」は2020年4月27日時点で住民票基本台帳に記載されている人全員に10万円を支給する、国民を支援するための緊急経済対策です。(返す必要のない、もらえるお金です。)
住民税非課税世帯、年金受給世帯、失業保険受給世帯、生活保護受給世帯などにかかわりなく、赤ちゃんからお年寄りまですべての方が対象です。
件数が多いこともあって、申請手続きには多くの問題が発生しているようです。
オンラインの申請では暗証番号を忘れたりなどのトラブルが多く、郵送での申請の方が確実です。
マイナンバーカードを持っていなくても郵送で申請ができますので、あわててマイナンバーカードを作る必要はありません。
引っ越しをして申請書が届かない、
外国人だからもらえるかどうかわからない、
DVを受けているので世帯主に振り込まないで欲しい、
ホームレスで、住民登録をしていないから申請書が届かない、
写真付きの身分証明書がない
など、困っていることがある場合は、ためらわず、お住まいの市区町村役場にお問い合わせください。
また、収入が減っていないから申請しないという人がいるという話を聞きますが、そういう方もぜひ申請をして、10万円をもらったら、困っている方やコロナウイルスの影響で経営が苦しくなっている病院などに寄付してあげてください。
特別定額給付金コールセンター 0120-260020 (9:00~20:00)
持続化給付金
「持続化給付金」は、新型コロナウイルスの影響を受けて、売り上げが大きく落ち込んでしまったフリーランスや個人事業主などを対象とした給付金です。(返す必要のない、もらえるお金です。)
売り上げが去年の同じ月と比べて50%以上少なくなっている方が対象です。
上限は100万円で、売り上げの減少額に応じて決まります。(法人の中小企業や小規模事業者の場合は、上限は200万円)
持続化給付金事業コールセンター 0120-115-570
傷病手当金
企業などで働く人が新型コロナウイルスに感染し、療養のため4日間以上仕事を休み、その間収入が得られなくなった場合には「傷病手当金」を受け取れます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
勤務先の健康保険組合などにお問い合わせください。
休業手当の直接給付
会社に責任のある理由によって労働者を休業させた場合、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。
会社に資金がないために休業手当を受け取れない人に対して、国が直接、休業手当を給付する新たな制度が創られました。
対象は中小企業で働く人で、賃金の80%が支給されます。上限額は雇用調整助成金の水準と合わせて月額33万円とし、適用される期間は2020年4月から9月末までとなります。(返す必要のない、もらえるお金です。)
雇用保険の基本手当(失業等給付)
労働者が失業した場合に再就職の援助をすることを目的として給付されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)離職した理由や年齢、雇用保険に加入していた期間により、受給できる期間や金額が変わります。
未払賃金立替払制度
企業が倒産したことによって賃金が支払われないまま退職した労働者に、払われていない賃金の一部を立替えて払ってくれる制度。(返す必要のない、もらえるお金です。)
対象となるのは、定期賃金と退職手当のうちまだ支払われていないもの。ボーナスは対象外です。
未払賃金の額の80%を立て替えてくれます。ただし、退職時の年齢に応じて88万円~296万円の範囲で上限があります。
学校等休業助成金・支援金
新型コロナウイルスの感染拡大で子どもの学校が休みになり、仕事を休まなければならなくなった保護者に、休みの間の給与を助成金や支援金で支える制度です。(返す必要のない、もらえるお金です。)
【雇用されている人】
保護者が会社に申し出て、会社側から申請書を出すことにより、勤務先の会社を助成します。
令和2年2月27日〜3月31日・・・日額8,330円を上限
令和2年4月1日〜9月30日・・・日額15,000円を上限
【委託を受けて個人で仕事をする人】
一定の条件を満たした場合支給されます。
令和2年2月27日〜3月31日・・・日額4,100円
令和2年4月1日〜9月30日・・・日額7,500円
申請期間はいずれも2020年12月28日までとなっています。
学校等休業助成金・支援金相談コールセンター 0120-60-3999(9:00〜21:00)
厚生労働省ホームページ:小学校休業等対応助成金(雇用されている方)
リーフレット(新型コロナウィルス感染症による小学校休業等対応助成金)(j事業主向け)
厚生労働省ホームページ:小学校休業等対応助成金( 委託を受けて個人で仕事をする方)
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業
子どもの通っている学校などが臨時休校・休園となった場合に使える割引券(2,200円/枚)が支給されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
ベビーシッターの各事業者にお問合せください。
子育て世帯への臨時特別給付金(児童手当の増額)
児童手当の受給世帯に、子ども1人当たり1万円が増額されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
手続きは必要ありません。
ひとり親世帯臨時特別給付金
経済的に厳しい状況に置かれているひとり親世帯に臨時の給付金が支給されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
児童扶養手当の受給世帯や、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が大きく減少した世帯に5万円が給付され、第2子以降は3万円が加算されます。さらに児童扶養手当の受給世帯で、家計が急変し収入が減少した方は5万円の追加給付があります。
住居確保給付金
離職・廃業から2年以内または休業等により収入が減少し、離職等と同程度の状況にある方を対象に、
単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円、3人世帯:69,800円 (東京23区の例)が、原則3か月(最長9か月まで)支給されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
住居確保給付金相談コールセンター 0120-23-5572 (9:00~21:00)
緊急の宿泊支援
住居を失い、インターネットカフェやマンガ喫茶などで寝泊りしている方の生活支援等のサポートをおこなっています。
TOKYOチャレンジネット 0120-874-225 03-5155-9501(10:00〜17:00、火曜・木曜は20:00まで)
生活保護
持っている資産や能力などすべてを活用しても生活が厳しい方に対し、必要な保護をおこない、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度です。
収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。(返す必要のない、もらえるお金です。)
お住まいの自治体の福祉事務所にご相談ください。
あとで返済しなければいけないもの
あとで返済しなくてはならなくても、無利子や無担保でお金を貸してもらえるのは、どうしてもお金が必要な時にとても助かる制度です。
ただし、これはもらえるお金ではなく返さなければいけないお金なので、よくよく考えて借りるようにしないと、あとで返済できずに苦労することになりますから気をつけてください。
無利子・無担保の融資(借りるお金)
フリーランスを含む個人事業主などが、新型コロナウイルスの影響により収入が減ってしまった場合「無利子・無担保の融資」を利用することができます。上限は4,000万円。(お金を借りることができます。)
中小企業金融・給付金相談窓口 03-3501-1544
日本政策金融公庫 0120-154-505(平日)0120-112-476(土日祝)
沖縄振興開発金融公庫 098-941-1785(平日)098-941-1795(土日祝)
経済産業省 0570-783183
生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)
緊急小口資金
休業などで収入が減少した人は最大で10万円を、学校の臨時休校などの影響を受けた場合は最大20万円を借りられます。
総合支援資金
失業などで生活の立て直しが必要な人は、単身なら月に最大15万円、2人以上の世帯なら月に最大20万円を、3か月間、無利子で借りられます。
※所得の減少が続く住民税非課税世帯は返済が免除されます。
個人向け緊急小口資金 総合支援資金相談コールセンター 0120-46-1999 (9:00~21:00)
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
小学生以下の子どもがいる母子家庭、父子家庭および寡婦を対象に、新型コロナの影響で収入が減少した場合にお金を貸してもらえる制度。
お住いの市区町村の福祉担当窓口までお問合せください。
猶予や減免
新型コロナウイルスの影響により収入が減ってしまった場合、税金や料金などの支払いの期日を延期したり、金額を減額、免除したりしてくれます。
納税の猶予や減免
納税の延期や減額、免除なども受けられる場合があります。
国税(所得税、法人税、消費税等)の猶予
地方税(住民税、事業税、地方消費税等)の猶予
※お住いの都道府県・市区町村によって制度が異なります。必ず都道府県・市区町村に問合せてください
固定資産税の減免
売り上げの減少が続く個人事業主は、設備や建物にかかる固定資産税や都市計画税が、来年度(令和3年度)の1年分に限って「減免」されます。
国民年金の保険料
新型コロナウイルスの感染拡大で収入が大きく減った自営業などの人は、国民年金の保険料の支払いが免除される特例措置が受けられます。
日本年金機構:新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
国民健康保険(税)・後期高齢者医療制度・介護保険料
社会保険料(税)の免除や延期をしてもらえます。
お住まいの市区町村の国民健康保険担当課、後期高齢者医療担当課、介護保険担当課
公共料金支払いの先延ばし
電気・ガス料金
大手電力会社と大手ガス会社は、料金の支払い期限を1か月延長する対応をとっています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、電気料金の支払いなど生活に不安を感じておられる皆様へ [経済産業省]
電話料金
NTT、KDDI、ソフトバンクの通信大手3社は、2月末以降の支払いとなっている携帯電話や固定電話の料金について、5月末まで支払い期限を延長しています。
水道・下水道料金
水道・下水道の料金については、各自治体によって対応が異なります。
NHK受信料
「持続化給付金」の給付決定を受けた個人事業主や中小企業は、受信料を2か月間免除してもらえます。
またそれ以外にも受信料の支払いに関する様々な相談に乗ってもらえます。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う受信料のお支払いに関するご相談窓口について
生命保険・損害保険の保険料の支払い猶予
生命保険料や損害保険料の支払いが困難な方は支払いを延期してもらうことができます。
また、貸付制度などを利用することもできます。
加入している各生命保険会社や各損害保険会社にお問合せください。
住宅ローン
住宅ローンの返済が困難となっている方は返済期間の延長や返済額の減額や変更をしてもらえます。
住宅ローンを組んでいる金融機関
「住宅ローンを返済できないと悲惨な結末に!どうすればいいの?」はこちらをご覧ください。↓
学生のための支援
多くの学生が、新型コロナウイルスの影響で学費を払うことができず、退学を考えているというニュースを聞いて心が痛みました。
色々な制度を利用して、なんとか退学せずにすむ方法を見つけてくれることを願っています。
修学支援新制度
新型コロナウイルスの感染拡大により、家計が急変した学生や短大生、それに、高等専門学校などに通う学生には、授業料の減額、免除や、給付型の奨学金が支給される「修学支援新制度」があります。
このほか、貸与型の奨学金もあります。
各学校の奨学金窓口
日本学生支援機構 奨学金相談センター 0570-666-301(平日9:00〜20:00)
学生支援緊急給付金~学びの継続給付金~
家庭から自立してアルバイト代を学費などにあてている学生等で、新型コロナウイルスの影響で収入が大幅に減少し、修学の継続が困難になっている人たちに支給される給付金。(返す必要のない、もらうことができるお金です。)
- 住民税非課税世帯の学生などには20万円が支給されます。
- 上記以外の学生などには10万円が支給されます。
また、家計が苦しくなって学業の継続が困難になっている学生を支援するため学校側が授業料などの減免を行った場合には国が補助します。
まとめ
新型コロナウィルスの影響で収入が減った方を対象にした、国、都道府県、各自治体や民間事業者などがおこなっている様々な個人向けの支援をご紹介しました。
どんな支援を受けることができるのか、どこに相談すれば良いのかをしっかりと知り、期限に間に合うように、なるべく早く申請することが大切です。
記入方法が複雑で、必要書類をそろえるのがめんどうになってあきらめてしまう人もいますが、役所の方に聞けばきちんと教えてくれますから、めげずに申請しましょう。
ご紹介した以外にも、各自治体や企業などで独自の支援を行っている場合がありますので、何か困ったことがある場合は相談してみましょう。
※それぞれの支援は、状況により申請日が延期されたり金額が変更されたりすることがありますので、ホームページ等で最新の情報をご確認ください。
「新型コロナウイルスの影響で収入が減った時に受けられる事業者向け支援」はこちらをご覧ください。↓