扶養を外れた子どもの医療費は国民健康保険未加入だと全額自己負担?

国民健康保険制度はすばらしい

大学生の子どもがアルバイトでかせぎすぎると親の扶養から外されてしまう、というのは聞いたことがある方も多いでしょう。

扶養から外れたけれど、まだ本人の国民健康保険の加入手続きをしていない状態の時に、ケガや病気で入院した場合、医療費の支払いはどうなるのでしょう?

全額自己負担になるのでしょうか?

通常、健康保険を使えば医療費の自己負担は3割ですが、全額払わなければいけなくなったとしたら、相当高い医療費を負担しなければなりませんね。

でも大丈夫。そんな時でも、国民健康保険が助けてくれるって、ご存知ですか?

 
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子どもはいくら以上稼いだら親の扶養から抜けるの?

まず、子どもがいくら以上かせいだ場合に親の扶養から外れるのかを確認しましょう。

「扶養」には2種類あります。

税金面での扶養と健康保険の扶養です。

税金面・・・大学生など、子どもの1年間の収入が103万円を超えると、親は税金の扶養控除が受けられなくなります。

健康保険・・・子どもの1年間の収入が130万円以上になると、親の健康保険から抜けて子ども自身が国民健康保険に加入し、保険料を納めなければなりません。

 

健康保険の扶養から外れるのは130万円以上だということがわかりました。

 

それでは、子どもの1年間の収入が130万円以上になったお客様のご相談の例をみてみることにしましょう。

 

子どもが親の扶養から外れた後の医療費

昨年秋に、お客様から入院費について相談を受けました。

大学生のお子さんが突然のケガで入院して手術をしたとのことでした。

健康保険の話をしているうちに、お子さんのアルバイトの収入が3ヶ月前にすでに130万円を超えていたことが発覚しました。

その場合、健康保険はどうなるのでしょうか。

 

会社の健康保険は、子どもの収入が130万円を超えた時までさかのぼって扶養親族としての権利がなくなりますから、3ヶ月前の時点で脱退となり、それ以降は親の健康保険には加入していないことになります。

その3ヶ月の間に親の健康保険証を使って子どもの医療費を支払っていた場合は、会社の健康保険組合が負担していた医療費の金額を返金しなければなりません。

健康保険を使った場合、医療費の自己負担は3割で、残りの7割を会社の健康保険組合が負担してくれています。

その7割分に当たる金額を返金しなければならないのです。

 

「健康保険の3割負担でも今回の入院費は30万円かかったのに、いったいいくら払わなければいけなくなるのでしょうか!?」と、お客様はかなり青くなりました。きっと全部で100万円を超える金額になるでしょう。

こんなことになるなら、もっと早く会社に連絡をして子どもの扶養をはずして、国民健康保険に加入しておくべきだったと反省してみても、過ぎてしまったことはしかたありません。

何とか医療費が安くなる方法がないかとあれこれ詳しく調べてみることにしました。

 

日本の国民健康保険はさかのぼって補償してくれる!

すると、なんということでしょう!

国の国民健康保険に、驚くほどすばらしい制度があることがわかったのです!

 

加入していない状態の時に医療費などがかかった場合でも、さかのぼって国民健康保険料を支払えば、かかった費用のうち、保険でカバーできる7割の金額を後から返してくれるというのです。

え、そんな魔法みたいなことができるの????

すごい!国民健康保険ってすばらしい!!!!

と、とても感動し、驚いてしまいました。

 

一般の保険会社などの医療保険だったら、加入する前の期間にかかった費用を払ってくれるなんて、絶対にありえない話です。

国民健康保険制度、ホントにありがたいですね。

 

国民健康保険がさかのぼって補償してくれるのはなぜ?

なぜこんなことが可能なのでしょう?

 

日本の国民はいつでも必ず何かの健康保険に加入していなければならない法律があるので、未加入の人はいないことになっているからです。(これを国民皆保険制度と言います。)

市町村での国民健康保険の加入日は、加入の届出をした日ではありません。保険料を払った日でもありません。

社会保険等を脱退した日(退職日の翌日)、または引越しなどで、新しい都市に転入した日(資格取得年月日)が加入日となります。

アルバイトでかせぎ過ぎた学生さんの場合は、親の健康保険から抜けた日(130万円以上になった日)ということになります。

 

ですから、市町村に国民健康保険に加入する届出がされていない場合でも、加入日以降は自動的に国民健康保険の被保険者になっているのです。

保険料が未納になっているという状態になっているので、加入日までさかのぼって保険料を納めれば国民健康保険の恩恵を受けることができるのです。

 

一般の保険会社の医療保険などは届出をして契約をした日以降の加入日になりますので、届け出をした日より前の期間について補償を受けられないのは当然です。

その点、国民健康保険は、なんて神対応なのでしょう!

 

日本の国民皆保険制度ってすばらしいですね。

 

未納期間の国民健康保険料は、さかのぼって払わなくてはなりません

市町村では、転居や退職時などの国民健康保険への変更手続きは14日以内にするように定められています。

でも、うっかり忘れてしまうこともあります。

そんな時でも、あわてなくて大丈夫。さかのぼって未納の国民健康保険料を支払えばOKです。

 

保険料の未納期間がある場合、最大で2年〜5年間分の保険料(自治体によって違います)を納めなくてはなりませんが、これは国民の義務なのできちんと払いましょう。

 

また、さかのぼって医療費を返してもらえる支給申請にも時効がありますので、なるべく早めに市町村の担当者に相談することをおすすめします。

※あまりにも悪質と思われるケースでは、さかのぼって支給を受けられない場合もあります。

 

先ほどのお客様の例の場合、まず、会社に連絡をして、扶養親族から子どもを抜いてもらい、会社の健康保険組合が負担してくれた医療費を返金します。

そして、住民票のある市町村で子ども自身の国民健康保険に加入する手続きをして、親の扶養から抜けた日までさかのぼって保険料を支払います。

その後、かかった医療費の支給申請をすると、市町村が負担する7割分の医療費を返してもらうことができます。

さらに、高額療養費の申請をすると、このお子さんの場合の自己負担額は最終的に57,600円になります。

100万円を超えると思われた入院費用が安く済むことがわかり、お客様もホッと一安心されました。

 

ただし、後から支給申請をする方法は一時的には医療費の全額を立て替えなくてはなりませんから、負担が大きくなります。

立て替えをしなくてすむよう、国民健康保険への切り替えの手続きはなるべく遅らせず、早めにするように気をつけましょう。

 

厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆様へ

 

お金がなくて国民健康保険料の未納分が払えない場合

国民健康保険の保険料が未納になっている方の中には、お金がなくて払えないからそのままにしてあるという方もいると思います。

 

未納のままにしておくと、いざという時に様々な健康保険の恩恵を受けることができなくなります。

払わないままにしておくと督促状が来て、延滞税を取られたり、財産を差し押さえられたりすることもあります。

 

そのまま放っておかず、早めに市町村役場の担当者に相談してください。

事情に応じて、納める時期を遅らせる、分割して納めるなどの対応をしてもらえます。

また、災害、病気、その他の特別な事情で生活が苦しくなったときは、申請することで保険料の所得割額が減額または免除になることがあります。

 

まとめ

子どもの1年間の収入が130万円以上になると、親の健康保険から抜けて子ども自身が国民健康保険に加入し、保険料を納めなければならないことになっています。

 

親の健康保険から抜けた後、まだ国民健康保険の加入手続きをしていない状態の時にケガや病気で入院した場合でも、自動的に国民健康保険の被保険者になっているので、さかのぼって国民健康保険料を支払えば、かかった費用のうち、保険でカバーできる7割の金額を後から返してくれます。

ただし、後から支給申請をする方法は一時的には医療費の全額を立て替えなくてはなりません。

立て替えをしなくてすむよう、国民健康保険への切り替えの手続きはなるべく早めにするように気をつけましょう。

 

また、国民健康保険の保険料が未納になっている方は、事情に応じた対応をしてもらえますので、そのまま放っておかず、市町村役場の担当者に相談しましょう。

 

 
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この記事を書いた人

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杉本ゆめ Yume Sugimoto

合同会社プレシャスワン代表、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。他に野菜ソムリエ、雑貨カフェクリエイターの資格も持つ。今までの経験と知識を生かし、一人でも多くの方に幸せになっていただくお手伝いをするために活動中。夢は国内、海外を問わず色々なところを旅して様々な文化に触れながら暮らすこと。