ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアを列車で巡る旅<2日目>
イタリアに到着して初めての朝は、6時半に起床。といっても日本時間の午後2時半なので、実はもっと早くから目がさめてしまって、ベッドの中でガイドブックを読んでいました。
雨の予報でしたが、カーテンを開けると、なんと陽がさしています。
2日目の日程はこんな感じ。けっこうハードな1日です。
9:00〜12:00 コロッセオ、フォロ・ロマーノウォーキングツアー
14:00〜17:00 ヴァチカン美術館、システィーナ礼拝堂ツアー
ローマ泊(Bettoja Hotel Massimo D’Azeglio ベットーヤ ホテル マッシーモ ダゼリオ)
目次
ホテルの朝食
ホテル(Bettoja Hotel Massimo D’Azeglio ベットーヤ ホテル マッシーモ ダゼリオ)の朝食はビュッフェスタイル。フルーツ、ヨーグルト、サラダ、ハム、チーズ、卵料理、シリアル、トースト、甘いパン、クッキー、コーヒー、紅茶、ジュースなどなど種類も多くてとても豪華。
グルテンフリーや動物性の素材を使わないヴィーガンのものもあって、さすがヨーロッパだなぁと感心しました。
優雅に朝食を楽しみたいところですが、集合時間に間に合わないので、残念ですが大急ぎで食べました。
歩いてコロッセオへ
午前中のオプショナルツアー「待たずに入場!コロッセオとフォロ・ロマーノじっくり観光ウォーキングツアー」は8時50分にコロッセオ前のコンスタンティヌスの凱旋門の前に集合なので、自力で集合場所まで行かなくてはなりません。歩いて20分ほどですが、迷子になるといけないので少し早めにホテルを出発。
外国に来て初めて街に出る時は、いつもその街並みの美しさと、外国に来たんだなぁという、なんともいえない感動で胸が躍ります。
朝のすがすがしい空気の中、所々あいているカフェの中をのぞき込んだり、美しい建物の写真を撮ったりしながら、iPhoneのマップを頼りに迷うことなくコロッセオに到着しました。
道の向こうに大きなコロッセオが見えた時はその迫力に思わず歓声をあげてしまいました。
待たずに入場!コロッセオとフォロ・ロマーノじっくり観光ウォーキングツアー
コンスタンティヌスの凱旋門の前に行くと、すぐにガイドさんを見つけることができました。説明を聞くためのイヤフォンを渡してもらい、20人ほどの日本人の方と一緒にツァーに出発しました。
コロッセオ
コロッセオの入り口はチケットを求める大勢の観光客で大行列でしたが、オプショナルツアーに申し込んでいる場合は待つことなく入場することができます。なんだかうれしい!
ガイドさんはこちらに住んでいる日本人の方で、政府公認観光ガイドの資格を持っている女性です。持ってきた資料を見せながら詳しい説明をたくさんしてくれたので、わかりやすく、とってもおもしろかったです。
コロッセオは約2000年も前に建設されました。50,000人以上を収容できるローマの繁栄を象徴する円形競技場です。
演劇や音楽を楽しむ場所だと思っていたら、そうではなく、奴隷が戦って殺しあったり、奴隷を猛獣と戦わせて殺されたりするのを見物するためのものでした。この残酷な見せ物を人々は熱狂して観たのです。なんてひどいことでしょう!
さぞかし奴隷は嫌がっていただろうと思いましたが、そうでもなく、戦いに勝てばヒーローになれてお金をたくさんもらえたので、奴隷という身分から抜け出せる憧れの仕事だったそうです。
コロッセオの柱には穴がたくさん空いているのですが、この穴は後世になってからローマを征服した他の民族が、セメントの間に埋め込まれていた補強用の鉄材などを取り出すためにあけたものだと、ガイドさんが教えてくれました。
コロッセオの地下は猛獣を入れておく部屋がたくさんありました。ステージに猛獣を上げるためのエレベーターのようなものもあったそうです。ステージ部分はなくなってしまっています。
パラティーノの丘
パラティーノの丘はローマ時代の皇帝などが住んでいた建物の遺跡が点在している丘で、コロッセオやフォロ・ロマーノを高い所から見おろすことができます。昔のサウナや食堂、庭園、噴水、馬場などを見ることができます。
面白いのは多くの施設が二重構造になっていることです。上層部は皇帝の住まいになっていて下層部には奴隷が働くスペースがあります。皇帝がサウナに入って喜んでいるときに、下層部では奴隷が必死になって火を焚いてスチームを作ったりしたのです。ローマの人々の生活は奴隷の働きによって成り立っていたのです。
遺跡の上に土が堆積し、時代を経てその上に建物を建設したので、遺跡が何層にもなっているのも驚きでした。掘れば掘るほど、いろいろ出てくるそうです。
フォロ・ロマーノ
フォロは公共広場のことをさします。ローマ時代の中心地だった場所で、裁判所、政治の最高機関である元老院、ローマ最古の凱旋門、神殿など様々な建物の遺跡があります。
ジュリアス・シーザーやコンスタンティヌス帝が歩いた石畳(ヴィア・サクラVia sacra)と同じ石畳を私たちも歩くことができ、はるか遠いローマ帝国にタイムスリップしたようで、とても不思議な気持ちがしました。
石畳の横の壁には、2000年前の石畳の上に土砂が積もり、その上に築かれた石畳と、さらに土砂が積もって、その上に作られた比較的新しい石畳の跡が残っています。
何層もの遺跡を掘り進めていって、ようやくジュリアス・シーザーが歩いた石畳を発見したのです。すごい話ですね!
最後にカンピドーリオの丘からフォロ・ロマーナの全景をカメラに収めてから、徒歩で「真実の口」のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の前に到着したところでオプショナルツアーは解散となりました。
真実の口とカンパーニャ・アミーカ・アル・チルコ・マッシモ市場
ローマの休日で有名な真実の口、私もオードリー・ヘップバーンのように手を入れてみたいと思いましたが、ディズニーランド並みの行列だったので、外から見るだけであきらめました。
この真実の口は、古代ローマのマンホールのフタだったと言われています。
行ってみたいと思っていたカンパーニャ・アミーカ・アル チルコ・マッシモ市場Mercato di Campagna Amica al Circo Massimoがすぐ近くにあったので、行ってみることにしました。真実の口からは3分ほどです。厳選されたローマ近郊の生産者だけが出店できる市場です。
新鮮な野菜や果物、魚や肉が並んでいました。これはザクロです。イタリアではザクロは縁起の良い果物と言われていて、よくジュースにして飲まれています。
市場の近くにSANTEOというステキなカフェがあったので、そこでサンドイッチを食べました。ショーケースにおいしそうなケーキもたくさん並んでいましたが、ケーキはがまんして、おやつ用にクッキーを買いました。
Uber(ウーバー)のお世話になることに
のんびりお昼を楽しんだところで、次の目的地ヴァチカンへ行かなくてはなりません。あいにく地下鉄B線が工事中で動いていなかったので、バスかタクシーで行けばなんとか行けると軽く考えていたのが大まちがい、とんだことになりました!
バス停に行ってみましたが、チケットを持っていないとバスには乗せてもらえません。でもチケットをどこで売っているのか誰に聞いてもさっぱりわかりません。
タクシー乗り場を教えてもらって、そこで待っていましたが、待てど暮らせどタクシーは来ません。おかしいなと思ってガイドブックを見ると、ローマでは流しのタクシーはほとんど来ないと書かれているではありませんか!
しかたないのでウーバーを頼むことにしました。ところが、これがまた待っても待っても来ないのと、大通りのどちら側で待てば良いのかがわからず、何度も大通りを行ったり来たりして車を探しました。
やっと車を見つけた時にはすでに1時半。ヴァチカン美術館の集合は1時50分、時間厳守です。間に合わないと置いていかれてしまいます。
ドライバーの男性は「がんばってみる」とめちゃめちゃ飛ばしてくれて、なんと1分前に到着!ハラハラドキドキでした!
初ウーバー、ホントに助かりました!感謝!
ウーバーの料金は19ユーロでした。
ヴァチカン美術館
ヴァチカン美術館の入り口はものすごい人だかりでしたが、ガイドさんがすぐに見つけてくれてひと安心。あれ?このガイドさん、どこかで見たような?
なんと、日本で事前勉強のために観た、ブラタモリのローマ編に出ていた、4カ国語を話せる超絶物知りの政府公認観光ガイドの方でした!なんて運が良いのでしょう、というか、あやうく、その運をとりにがすところでした。よかった〜、まにあって。
さて、ヴァチカン美術館ですが、中はラッシュ時の電車のように混んでいて、建物は迷路みたいでわかりにくく、あっというまに迷子になることができそうなところです。
ツァー参加者はイヤフォンをつけていて、少し離れていてもガイドさんの声を聞くことができます。「この先を左に曲がって階段を降ります」みたいに言ってくれるので、その声とガイドさんが持っている棒の先の緑色のバンダナをたよりに必死でついていきます。
何しろ迷子になった場合はそこでサヨナラなのですから。探すのは不可能なんですって。
超有名な画家の作品が飾ってあったりするのですが、とにかく作品の数が半端ないので、「ここは観ません」と通り過ぎます。これは絶対、という見どころの作品だけ説明してくれて、どんどん進みます。
なぜってここヴァチカン美術館で一番観なければいけないものは、システィーナ礼拝堂のミケランジェロの天上画と最後の審判だからです。他のものをゆっくり観ていたら、その一番大事なものを観る時間がなくなってしまうのです。
これは、ゆっくり説明してもらえた作品のうちの1つで、ラファエロが描いた「アテネの学童」。真ん中手前で座って四角い台に肘をついているのはヘラクレイトスで、モデルはミケランジェロだと言われています。
システィーナ礼拝堂
さあ、いよいよシスティーナ礼拝堂です。ここは神聖な場所なので声を出したり、写真を撮ったりすることは厳禁です。ガイドをすることも許されません。ひたすら沈黙を守って天井の絵を鑑賞します。
と、言われて中に入ってみると、とっても広い礼拝堂に何百人という人が入って天井を観上げていました。ワイワイガヤガヤ、まあにぎやかなこと!教会の方がマイクで、「静かに!」と何度もお願いしていました。
ミケランジェロの天上画と最後の審判は迫力があってさすがにすばらしかったです。躍動感あふれる肉体は彫刻家だったからこそ描けたものだったのではないでしょうか。

photogolfer – stock.adobe.com
歴史の授業で習って知ってはいたけれど、この大きさと迫力は、やっぱり実物を観ないとわかりません。

Mistervlad – stock.adobe.com
「ヴァチカン美術館でベテランガイドとまわった初心者おすすめのコース」はこちらをご覧ください。↓
サンピエトロ大聖堂
システィーナ礼拝堂を出ると、ツァーは解散となりましたが、その後も引き続き美術館やサンピエトロ大聖堂を見学できます。本当は屋上のクーポラからの眺めが最高と聞いていたので上りたかったけれど、320段の階段を上る元気は残っていなかったので、あきらめることにしました。
大聖堂の中の絵画は全て絵ではなくモザイク画です。言われなければモザイク画だと気づかないほど繊細なものです。
サンピエトロ大聖堂の見どころは、入ってすぐ右にあるミケランジェロ25歳の作「ピエタ」。十字架からおろされたキリストの亡骸を抱いている聖母マリアの彫刻です。
ピエタはイタリア語で「哀れみ、慈悲」を意味します。なんとも言えない切なさと神々しさが溢れ出ていて、すばらしい作品でした。
サンピエトロ大聖堂を出たところで、スイス人の衛兵を見かけました。制服がすごくファッショナブル!
ミケランジェロがデザインしたとかラファエロの絵の中からとったなどと言われている歴史を感じる制服です。おとぎ話に出てきそうですね。
サンピエトロ大聖堂を出た右側に郵便局があり、そこではがきを投函するとヴァチカン市国の消印が押されると聞いたので、フランシスコ教皇の絵葉書と切手を買って家族に宛てて黄色いポストに投函しました。
帰国してからいつまでも届かないので、なくなっちゃったのかと心配していたら、2週間ぐらいしてから届きました。
日が暮れて、サンピエトロ大聖堂のライトアップが美しかったです。
テルミニ駅で夕食
おいしそうなお菓子やカラフルなパスタが並んでいる食料品店をのぞいたり、お土産を買ったりしながらオッタヴィアーノ・サン・ピエトロ駅まで歩き、地下鉄A線に乗ってホテルのあるテルミニ駅に戻りました。
地下鉄の真ん中の車両は混んでいてスリに合うから、すいている一番前か一番後ろの車両に乗るようにガイドさんに教えてもらっていたので、すいた車両に乗って座ることができました。
朝早くから一日中歩き通しで、疲れていたし眠くなってしまったので、本当はトレステヴェレかいわいのイタリアンレストランに行きたかったけれど、テルミニ駅の2階にあるBottega Porticiというお店で手軽に夕食を済ませることにしました。
生パスタの美味しそうなお店で、ニョッキ、パスタ、サラダを食べましたが、オシャレでおいしかったです。31.5ユーロ。
オリーブオイルやバルサミコを好きなだけサラダにかけられるように置いてあるのが、さすがイタリア!
テルミニ駅にはいろいろなお店がたくさんあって、とっても便利です。
駅構内でカットフルーツと水を買ってから歩いてホテルへ戻りました。テルミニ駅のすぐ近くなのでホテルの立地は最高です。
観るものがたくさんありすぎて圧倒されっぱなしの1日でした。ローマってすごい!
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアを列車で巡る旅<1日目>はこちらをご覧ください。↓