保険料の口座引き落としができなかったら保険を解除(解約)される!?

保険料を滞納してしまい通帳を確認する女性

最近は保険会社の生命保険や医療保険などの保険料の支払いを、ほとんどの方が金融機関の口座引き落としやクレジットカード払いにしていると思います。

お金がなくて保険料の口座引き落としができなかった場合、保険は解除(解約)されてしまう!ことがあるのをご存知ですか?

保険契約を解除されないためにはどうすれば良いのでしょうか。

 

2回滞納して保険を解約されてしまった!

先日、お客様から電話がありました。

保険料の引き落としができず、それが2ヶ月続いたことで、子ども保険を解除(解約)されてしまった、という内容でした。

 

このお客様の保険は生協で加入されていたもので、支払い方法はクレジットカード払いでした。

クレジットカードの使い過ぎを防止するために、カードの利用金額に10万円の限度額を設定していたのですが、たまたま生協の購入金額が10万円を超えていたことで、引き落としができなかったのです。

 

当然、生協からは引き落としができなかったということで、銀行振り込みの用紙が送られてきました。そして、すぐに振り込みました。

翌月も同じようにクレジットカードからの引き落としができず、また銀行振り込みの用紙が送られてきてすぐに振り込みました。

その数日後に「保険料お引き落とし不能によるご契約解除のお知らせ」が届いたのです。すでに保険は解除された後で、復活もできない状態だという内容でした。

 

「ちゃんと払ったのに一体どういうことなんでしょう!!」

お客様はかなりお怒りのご様子です。

 

保険会社と直接契約していない場合は要注意

よく調べてみると、お客様があとから振り込んだ金額は、生協で購入した食品代などの請求金額で、そこに保険料は含まれていませんでした。

生協は、保険会社などの仲介をしているだけで、保険料の引き落としは生協の品物の購入代金とは別に直接保険会社が引き落としを行っているらしく、ようするに、お客様は2回分保険料の支払いを滞納したことになっていたのです。

お知らせが1回保険会社から来ていましたが、払ったつもりだったので、大丈夫だと思っていたそうです。次に来た手紙が「契約解除のお知らせ」です!

「ずいぶん簡単にあっさり解除されちゃうんですね!」とびっくりされていました。

 

保険にはこのように、一定の回数滞納をすると、自動的に保険契約が失効するという決まりがあります。

保険会社と直接契約して銀行などの口座引き落としにしている場合は、残高不足で引き落とせなくても、次回の引き落とし日までに自分で気をつけてお金を入金すれば何とか間に合います。

直接保険会社に振り込みをする方法もあります。

 

けれども、契約者と保険会社の間に金融機関、クレジットカード会社、生協のように、いくつもの事業者が入り込んでいると、それぞれにルールがあるので、複雑な関係になっています。

「次回の引き落とし日までに支払い方法変更の手続きが間に合うかどうかやってみないとわからない」「振り込みで払うことはできない」など、自分ではどうすることもできない状態になってしまいます。

お金はあるのに払えないという、なんともじれったい状況です。

このお客様は生協で他にあと4つ保険に加入されていたのですが、その4つについても2ヶ月間支払いがされていない状態でした。

けれども、4つの保険は共済保険だったので、2回ではなく、3回以上滞納するまで解除にはならない規定があり、ぎりぎりセーフで解約されずに済みました。

 

保険料を滞納しても、すぐには解約されない

保険料を滞納してしまうのは、ついうっかり忘れていた場合のほか、資金に余裕がなくてどうしても払えなかった場合などがあります。

どちらにしても保険料が払えなかった場合、すぐに保険が解除(解約)されるわけではありません

 

保険には「払込猶予期間」というものがあります。

支払の期日を過ぎてもしばらく待ってくれる期間のことです。

 

払込猶予期間は保険料の払い込みの方法によって少し違います。

月払いの場合は、払込期月の翌月1日から末日までが払込猶予期間となります。

半年払いや年払いの場合は、払込期月の翌月1日から翌々月の月単位の契約応答日までが払い込み猶予期間となります。

ただし団体として加入している場合には保険会社によって払込猶予期間が違う場合があります。

 

払込猶予期間中であれば、もし怪我をしたり入院したりするなどの保険事故が生じた場合でも、保険金をもらうことができます。

その場合、もらえる保険金から、支払っていない保険料が差し引かれます。

 

払込猶予期間が終了するまでに保険料を払うことができない時は、医療保険や傷害保険などの解約返戻金が少ない契約については解除(解約)ということになります。

これらの保険は同じ条件で保険を復活させることもできないのが普通です。

 

保険を解約されると困ること

保険を解約されると困ることはどんなことでしょうか?

解約されてしまうと、補償がない状態になってしまいますから、そのタイミングでケガや入院ということになったらとても困ります。

すぐに入り直そうとしても、手続きに時間がかかることもあります。

また、医療保険などは、契約したときの年齢によって支払う保険料の金額が変わることが多いので、一度解約になると、再度入り直した場合に保険料が高くなってしまいます

 

保険料の滞納にはくれぐれも気をつけてください。

保険料を滞納した可能性が疑われる時は、1人で判断せずに、担当者の方にすぐ確認するようにしましょう。

 

保険の種類によっては解除にならない方法がある

生命保険など、解約返戻金が多い保険契約については、解約返戻金から契約者に自動的にお金を貸し付けて保険料の支払いにあてる「自動振替貸付」という制度があります

解約返戻金の残額がある間は解除にならずに保険は継続されます。

ただし自動振替貸付で保険料を支払った場合は、その金額に対してしっかり利息が取られます。

 

他にも、保険料が払えない場合には解約返戻金を使って補償額を減らしたり、保証期間を短くしたりするなどして保険を継続する方法もありますので、保険会社に早めに相談してみることをおすすめします。

 

また、失効してしまった保険でも、一定の期間内であれば、失効していた期間の保険料と利息を支払うことで、もとの保険内容のまま「復活」させることができる場合もあります。

 

まとめ

口座にお金がなくて、保険料が払えなかった場合、すぐに保険が解除(解約)されるわけではありません

保険には「払込猶予期間」というものがあります。

払込猶予期間中であれば、もし怪我をしたり入院したりするなどの保険事故が生じた場合でも、保険金をもらうことができます。

払込猶予期間が終了するまでに保険料を払うことができない時は、医療保険や傷害保険などの解約返戻金が少ない契約については解除(解約)ということになります。

 

生命保険など、解約返戻金が多い保険契約については、解約返戻金から契約者に自動的にお金を貸し付けて保険料の支払いにあてる「自動振替貸付」という制度があります

保険の内容を見直して保険を継続する方法もありますので、保険会社に早めに相談してみましょう。

 

 

 

この記事を書いた人

杉本ゆめ Yume Sugimoto

合同会社プレシャスワン代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 CFP。今までの経験と知識を生かし、一人でも多くの方に幸せになっていただくお手伝いをするために活動中。夢は国内、海外を問わず色々なところを旅して様々な文化に触れながら暮らすこと。