住宅ローンを返済できないと悲惨な結末に!どうすればいいの?
新型コロナウィルスの影響で収入が減り、住宅ローンの支払いができなくなっている人が増えています。
住宅ローンが返済できないと、どうなるのでしょうか?
また住宅ローンが払えない時どうしたら良いのでしょうか?
その対策についてお伝えします。
目次
新型コロナウィルスの影響で住宅ローンを払えない人が増えている
新型コロナウィルスの影響で会社が倒産した人を始め、ボーナスが減った人、残業手当がなくなって給料が減った人など、多くの人の収入が減っています。
住宅ローンは、定年まで安定した収入がずっと続くという前提で返済計画を立てるので、急に収入が減ると、払えると思っていた住宅ローンの返済が、とたんにきびしくなってしまいます。
新型コロナウィルスの緊急事態宣言で経済活動が止まり、企業の売り上げが急激に減った時期の影響は、この冬のボーナスに大きく出るので、今年の年末以降も住宅ローンの支払いができなくなる人がさらに増えるのではないかと予想されています。
まさかこんなことが起きるとは誰も予想しなかったことです。
気軽な気持ちで住宅ローンを組んで家を買う人が多いので、返済できなくなった時にどうなるかを知らない人がほとんどです。
知らないで判断を誤ると、かなり悲惨な結末になるので、返済できないとどうなるかをきちんと知った上で、払えるメドが立たないと思ったら早めの行動をすることが大切です。
住宅ローンを払わないと何が起きるのか?
住宅ローンの返済計画では、ほとんどの場合毎月の返済とボーナス月の返済があります。
決まった額を決められた日までに用意し返済していきますが、その日までにお金を用意することができなかった場合、住宅ローンの返済を「延滞」せざるをえなくなります。
「延滞」した場合にどんなことが起きるのでしょうか?
住宅ローンの金利が高くなる
住宅ローンを設定する時、ほとんどの場合は「優遇金利」を適用されます。
店頭金利はそれぞれの金融機関によって少しずつ違いますが、給与振込口座を開設するとか、ネットバンキングの利用契約をするなどの条件をクリアすると、店頭金利より金利を少し下げてくれる「優遇金利」のサービスが受けられます。
住宅ローンの支払いに「延滞」が発生した場合、それ以降は、この「優遇金利」を受けることができなくなるため、金利が跳ね上がり、支払う利息の金額が高くなります。
高い金利の遅延損害金を払わなければならない
返済日までにお金を返すことができなかったペナルティとして、遅れた日数分の遅延損害金を払わなければならなくなります。この遅延損害金は14%〜14.6%というとても高い金利で計算されるため、支払いが遅れれば遅れるほど、雪だるま式に増えていきます。
1回延滞をして1ヶ月分の遅延損害金を払わなくてはいけない時、かりに返済しなければいけない元金部分が10万円、遅延損害金の利率が14.6%だとすると、
10万円×0.146÷12ヶ月=1,216円
となります。3ヶ月だと 3,650円。
たいしたことない、なんて思ってはいけません。
3回か4回延滞すると分割で支払う権利がなくなるため(期限の利益の喪失)、元金の総額に対して遅延損害金を支払わなければならなくなります。
元金の残額が3,000万円あった場合に1ヶ月にかかる遅延損害金は
3,000万円×0.146÷12ヶ月=365,000円
驚くほどの金額にふくれあがります!
期限の利益の喪失・ブラックリストへの登録
延滞が3〜6回ほど続くと、「期限の利益の喪失通知」が届き、分割で支払う権利がなくなり、一括での返済を求められます。当然そんなことはできませんから、代わりに保証会社が銀行に返済をする「代位弁済」が行われます。
その後は保証会社からお金を借りていることになります。
3カ月滞納をすると個人信用情報機関に金融事故情報が記録されます。いわゆるブラックリストへの登録です。
競売にかけられ家がなくなる
保証会社はお金を回収するために裁判所へ申し立てをし、裁判所は家を差し押さえ、競売にかけます。
競売が行われるのは初めに延滞をした時からだいたい6〜8ヶ月後から1年半後にかけてです。
競売というのは、住宅ローンなど借金の返済ができなくなった時に、担保として提供していた不動産を、裁判所が主体となって売ることです。最も高い値段をつけた人が落札できることになっていますが、一般に売買される価格よりもずっと安い値段で売買されます。
また、裁判所に高額な諸費用を払わなければならず、さらに、競売で家が売れるまでの期間の高額な遅延損害金も支払わなければなりません。
競売で家が売れて新しい所有者ができると、すぐに家を出ていかなければなりません。
ローンの残債が残る
競売の落札価格は通常の不動産取引価格よりずっと安くなるので、住宅ローンを全て返済することができず、残金をローンで返済していかなければならないこともあります。
そのうえ、新しく住む家の家賃を払っていかなければならないので、経済的にとても厳しい状況におちいってしまいます。
住宅ローンが払えない時どうしたら良いのか、その対策
住宅ローンが払えないのに、いつまでもズルズルと延滞を続けていると、金利の優遇を受けられなくなって支払い利息の金額が高くなり、遅延損害金を払わなくてはいけなくなり、最後には安い値段で競売でたたき売られ、ローンの残債を抱えて家を追い出されることがわかりました。
怖いですね。
「泣き面に蜂」とか「傷口に塩を塗る」とは、きっとこういうことを言うのでしょう。
こんなひどい目に合わないためにどうすれば良いのでしょうか。
まずお金を用意することができるかどうか、よく考えてみる
まずは住宅ローンの返済が本当にできないのかどうかを、落ち着いてよく考えてみてください。
どこかにヘソクリがあるか
金のネックレスやブランド品、株、土地など、お金に変えられるものはあるか
日々の節約をしてしぼり出すことができるか
生命保険などからお金を借りることができるか
なんとかかき集めて返済できて、その後のローンを支払っていける可能性があるのであれば、一時的には大変でもがんばって返済してください。
早めに金融機関に相談する
どうがんばっても、お金が足りない、今後も住宅ローンを支払っていけそうにないとわかったら、返済日が来る前に1日も早く住宅ローンを組んだ銀行などに相談をすることが大切です。
- しばらくの間、元金の支払いをストップして利息だけ払う
- 返済の期間を長くして毎月の返済額を減らす
- 金利の低いローンに借り換えをして、1ヶ月の返済額を減らす
などの対応をしてもらうことができます。
※滞納があるままでは借り換えをすることはできないので、必ず滞納する前に相談してください。
それでも無理なら任意売却する
金融機関に返済計画変更の相談をしても、その後の返済が難しい場合には、家を任意売却する方法があります。
任意売却というのは、住宅ローンが残っていても、金融機関の合意を得て家を売却できる方法です。
住宅ローンが残っている状態では不動産を売ることができないのが普通ですが、任意売却なら売ることができるのです。
競売にかけられると、家の価格は市価の6〜7割になってしまいますが、任意売却の場合はそのようなことはなく、引越し費用や手数料なども出してもらえることがあります。
返済を半年近くも遅らせていると競売にかけられてしまいますが、早い時期なら任意売却することができます。
任意売却してもローンの残り残債ができてしまった場合は、家を売却後に分割返済をしていきます。
毎月の返済額は無理のない金額に設定されることが多いようです。
まとめ
新型コロナウィルスの影響で収入が減り、住宅ローンの支払いができなくなっている人が増えています。
住宅ローンが払えないと、優遇金利を受けることができなくなる、遅延損害金を払わなくてはいけなくなる、ブラックリストに登録される、家を競売にかけられる、家を失って追い出される、ローンの残債が残る、という悪夢のような悲惨な結果が待ち受けています。
そんなことにならないために、どうしても住宅ローンを返済できないことがわかったら、1日でも早く住宅ローンを組んだ金融機関に相談をすることが大切です。
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